はじめに
本記事はCFP試験整理用として、2024第1回・問6E (直系尊属から教育資金の一括贈与の非課税)をまとめたものです。
試験問題を通じて教育資金一括贈与の非課税要件と贈与者死亡時の管理残額の取扱いを整理し、最後にポイントを総復習します。📚✨
制度の概要
直系尊属(祖父母や父母など)が、子や孫(30歳未満)に対して教育資金を一括して贈与した場合、一定の条件を満たせば贈与税が非課税となる制度です。🎓
教育費の支援を促す目的で2013年に創設され、2023年改正で取扱いが一部見直されています。
- 🎓 仕組み: 贈与者が金融機関で教育資金管理契約を締結し、専用口座に資金を預けます。受贈者(孫など)はその口座から教育費を支出し、領収書で使途を報告します。
- 💰 非課税枠: 学校等への支出は1,500万円まで、塾・免許など学校以外の支出は500万円まで(合計上限1,500万円)。
- ⏱️ 契約の終了: 原則として30歳到達時に終了。ただし在学中や教育訓練給付の対象教育を受講中は届出で継続可能。
- ⚰️ 贈与者死亡時: 管理残額は原則相続税課税対象。ただし、23歳未満・在学・教育訓練受講中なら非課税。
ただし贈与者の相続課税価格が5億円超の場合は課税対象となります。
2023年改正のポイント
2023年(令和5年度)税制改正では、この制度に関して適用期限の延長と要件の厳格化が行われました。📝
とくに「5億円超ルール」の新設が重要です。
- 📅 適用期限の延長: 制度の適用期限が2026年3月31日まで延長されました。
- ⚠️ 5億円超ルールの新設: 贈与者が死亡したとき、相続税課税価格の合計が5億円を超える場合には、
たとえ受贈者が23歳未満・在学・教育訓練中でも、管理残額は課税されます。 - 🎓 教育訓練の範囲明確化: 「教育訓練」とは雇用保険法に基づく教育訓練給付対象講座に限定されました。
- 📑 金融機関による管理厳格化: 金融機関が教育資金口座の使途と残高を定期的に確認する仕組みが強化されました。
これにより、制度の対象者と非課税範囲が絞り込まれた点が重要です。
特に試験では「5億円ルール」と「教育訓練給付講座の限定」が頻出ポイントです。🎯
本文の前提(要点)
- 管理契約を結べるのは日本国内の金融機関の営業所等に限る。🏦
- 受贈者が30歳到達でも、在学や教育訓練給付の対象の教育訓練を受講中なら、届出により契約は継続。⏱️
- 贈与者の所得制限(1,000万円)は教育資金特例には設けられていない。📝
- 贈与者死亡時は、管理残額は原則受贈者が遺贈により取得したものとみなされ課税。ただし
① 23歳未満/② 学校等に在学/③ 教育訓練給付の対象教育訓練を受講のいずれかなら非課税。
さらに贈与者の相続税の課税価格合計が5億円を超える場合は課税(この判定は管理残額を加算する前の課税価格)。⚠️
結論
最も不適切なのは 選択肢4 です。🎯
各選択肢の解説
⭕ 正しい(選択肢1)
教育資金管理契約は国内の金融機関の営業所等で締結することが前提。海外拠点での取扱いは想定されていません。🏦
(根拠イメージ:租特法70条の2関係)
⭕ 正しい(選択肢2)
受贈者が30歳到達時点で在学しており、取扱金融機関へ届出すれば、契約は終了しません。大学院生を含め、在学継続の届出で非課税枠の運用を継続できます。🎓
⭕ 正しい(選択肢3)
本特例には贈与者の合計所得金額1,000万円超の可否といった所得制限は設けられていません。そのため、1,000万円超でも適用可。📌
❌ 不適切(選択肢4)
贈与者(祖父)死亡時の管理残額は、原則として受贈者が相続または遺贈により取得したものとみなされ課税されますが、
① 受贈者が23歳未満/② 学校等に在学/③ 教育訓練給付の対象教育訓練を受講のいずれかに該当する場合は、管理残額は相続税の課税対象になりません。
設問の「24歳の大学生」は在学(②)に該当するため、本来はみなし遺贈にならない取扱いが先に立ちます。
加えて、贈与者の相続税の課税価格合計が5億円を超えるときは例外的に課税ですが、設問は「5億円を超えない場合でも課税」とする内容で、ここが誤りです。⚠️
対象となる「教育」とは?
教育資金一括贈与の非課税制度では、「教育に要する費用」として認められる支出の範囲が明確に定められています。🎓
対象となる教育は、主に学校教育法または雇用保険法に基づく教育に区分されます。
- 🏫 学校教育法に基づく学校
小学校・中学校・高校・大学・大学院・専修学校・各種学校など、いわゆる「学校」に該当する教育機関への支出が含まれます。
例:入学金、授業料、修学旅行費、教材費など。 - 💼 雇用保険法に基づく教育訓練給付対象講座
厚生労働大臣が指定する職業能力開発のための講座を受講している場合も対象になります。
これは社会人や学生がスキルアップを目的に学ぶ講座で、代表的なものには次のような例があります。📘
・簿記検定、FP技能士、宅地建物取引士(宅建)
・介護福祉士、看護師、保育士養成課程
・MBA(大学院経営学)、IT関連資格講座(データサイエンス・プログラミングなど)
・社会保険労務士、中小企業診断士、税理士講座 など - 🎵 対象外の例
趣味・習い事など、職業能力開発と関係のない学習は対象外です。
例:ピアノ教室、英会話スクール、ヨガ教室、習字など。
つまり、教育資金非課税の対象となるのは、
「学校教育法上の学校」または「雇用保険法上の教育訓練給付対象講座」に関する支出に限られる、という点がポイントです。🎯
ポイント
- 国内の金融機関で管理契約を締結(海外不可)。
- 30歳到達でも在学等の届出で継続可。
- 贈与者の所得制限なし(1,000万円超でも適用可)。
- 贈与者死亡時は原則課税だが、23歳未満/在学/教育訓練なら非課税。
- 5億円超ルール:贈与者の相続課税価格が5億円超なら管理残額は課税。
出典元
日本FP協会「CFP資格審査試験 過去問題」
https://www.jafp.or.jp/aim/cfp/cfp_exam/mohan.shtml
※本記事はCFP試験整理用として過去問題をまとめたものです。
実務や最新の税法適用を保証するものではありません。実際の相続・贈与・税務については、必ず最新の法令や公的資料をご確認ください。
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