「毎年110万円までなら非課税」だけだと損する時代に。2024改正で“相続前7年の持ち戻し”、相続時精算課税に年110万円の基礎控除が新設。住宅・教育・結婚子育て・配偶者の大きな非課税枠を組み合わせ、否認されないやり方まで、最新の実務で使える情報まとめました。🎯
非課税枠の早見表(2025年時点)📊
| 制度 | 非課税・控除 | 主な要件 | 期限・扱い |
|---|---|---|---|
| 暦年贈与 | 年110万円まで基礎控除 | 1/1〜12/31の受贈合計。持ち戻し対象あり | 2024年贈与以降は相続前7年の加算(経過措置あり) |
| 相続時精算課税 | 年110万円基礎控除+ 累計2,500万円まで20% |
原則 60歳以上→18歳以上の直系。選択は原則不可逆 | 2024年贈与以降、110万円以下は申告不要(要件内) |
| 住宅取得等資金 | 省エネ等住宅:1,000万円 一般住宅:500万円 |
直系尊属→子・孫。証明書添付、取得&居住期限あり | 〜2026/12/31贈与まで。贈与税は申告が必須(0円でも) |
| 教育資金一括贈与 | 1,500万円(学校等1,500/塾等500) | 30歳未満、所得制限(前年合計所得1,000万円超は不可)、領収書管理 | 〜2026/3/31まで。管理残額は相続等で課税の可能性 |
| 結婚・子育て資金 | 1,000万円(結婚300・妊娠出産等・子育て700) | 18〜50歳未満、所得制限(前年合計所得1,000万円超は不可) | 〜2027/3/31まで。管理残額は相続等で課税の可能性 |
| 配偶者控除(いわゆる「おしどり贈与」) | 2,000万円+基礎控除110万円=最大2,110万円 | 婚姻20年以上、居住用不動産orその取得資金、申告必須 | 持ち戻しの加算対象外(一定範囲) |
📚出典:国税庁タックスアンサー(暦年課税・相続時精算課税・各種非課税制度)。
2024改正のキモ:「7年ルール」と経過措置を図解🗓️
なにが変わった?
- 暦年贈与の“持ち戻し”(相続財産へ加算)期間が3年→7年へ。
- ただし経過措置あり。2027/1/1〜2030/12/31の間に亡くなった場合は、2024/1/1以降の贈与分のみ加算。
- 2031/1/1以降に亡くなると、フルで相続前7年が加算対象。
- さらに100万円控除:相続開始前3年を超える部分(4〜7年目相当)の加算額から総額100万円は除外。
📚出典:国税庁タックスアンサー「贈与財産の加算と税額控除(暦年課税)」No.4161 ほか。
持ち戻し対象外(代表例)
- 配偶者控除の適用額(居住用)
- 住宅取得等資金の非課税適用額
- 教育資金・結婚子育て資金の非課税適用額(ただし管理残額は相続等課税の可能性)
「対象外=一切影響なし」ではありません。要件を満たさない支出や管理残額は課税対象になり得ます。🧐
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4161・各制度Q&A。
相続時精算課税の“再評価”――110万円控除つきで何が変わる?🚀
2024年以降、相続時精算課税にも年110万円の基礎控除が新設。ここまでの“使いづらさ”が大きく後退しました。👍
- 110万円以下の贈与は申告不要に(2024年贈与以降)。
- 同時に、株式や不動産など値上がり期待資産の“早期移転”で、相続時の評価上昇分を回避できる戦略価値がアップ。
- ただし選択は基本的に撤回不可。贈与者×受贈者の“ペア”単位で暦年へ戻れない点は変わりません。
注意:110万円“だけ”を相続時精算課税で毎年…は選択不可逆のデメリットが残ります。値上がり資産の移転や、大口贈与と組み合わせる「戦略案件」で選ぶのが王道。⚠️
📚出典:国税庁タックスアンサー「相続時精算課税」No.4103・No.4402 など。
ケース別シミュレーション3選(簡略)🧮
Case 1:暦年贈与110万円×5年、2029年に相続発生
2025〜2029年に子へ毎年110万円(計550万円)。被相続人が2029年に死亡。
- 加算対象は「2024/1/1以降の贈与」=2025〜2029年分550万円すべて。
- ただし「相続開始前3年を超える分」(=2025〜2026年分)合計220万円から総額100万円は除外されるため、
実際の加算額は550万円 − 100万円 = 450万円。
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4161(経過措置・100万円控除)。
Case 2:ZEH住宅資金1,000万円+相続時精算300万円
2025年、子がZEHを購入。親から「住宅取得等資金非課税」1,000万円+「相続時精算課税」300万円を贈与。
- 住宅1,000万円は非課税(要申告・証明書・期限厳守)。
- 相続時精算300万円は、年110万円控除で課税0円&申告不要の範囲に調整可。
- 将来の相続時:
・住宅非課税分は持ち戻し対象外。
・相続時精算分は贈与時価で加算(値上がり益は相続圏外)。
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4508(住宅)、No.4103/4402(相続時精算課税)。
Case 3:「おしどり贈与」で名義整理
婚姻30年。自宅の名義を一部妻に移すため、居住用不動産の贈与2,000万円を実施(+基礎控除110万円)。
- 申告必須(0円でも)。
- この特例適用額は、将来の暦年持ち戻しの加算対象外。
- 登録免許税・不動産取得税などの“他税目コスト”も事前に試算を。
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4452(配偶者控除の特例)。
否認されない贈与“10ヶ条”(名義預金・定期贈与を避ける)🛡️
- ✅ 毎回の贈与契約書(日付・金額・趣旨。電子署名でも可)。
- ✅ 都度振込(現金手渡しは避ける/贈与者口座→受贈者口座)。
- ✅ 受贈者が自由に引き出せる通帳+印鑑+ネット権限を持つ(親管理の口座は名義預金疑い)。
- ✅ 「毎年同日・同額」の固定化は避け、金額・時期に変化をつける。
- ✅ 110万円超の年は期限内申告で“贈与の事実”を明確化。
- ✅ 教育・結婚子育て・住宅は領収書・証明書の原本管理を徹底。
- ✅ 配偶者控除・住宅資金は税額0でも申告が必要。
- ✅ 相続までの7年ルールを見据え、年次計画表を作成。
- ✅ 値上がり資産は相続時精算+110万円枠で早めに移転を検討。
- ✅ “残額”や“未使用”の扱い(管理残額課税など)を設計段階で織り込む。
📚出典:国税庁タックスアンサー(暦年課税No.4102/4161、相続時精算課税No.4103/4402、各種特例)。
よくある質問(Quick QA)❓
Q. 110万円は「贈与者ごと」?「受贈者ごと」?
A. 「受贈者ごと(年間合計)」です。複数人から受けた金額の合計で判定します。🙆♀️
📚出典:国税庁タックスアンサー「贈与税のしくみ」No.4102。
Q. 相続時精算課税は110万円以下だと完全放置でOK?
A. 2024年以降は原則申告不要ですが、選択の可否・ペア関係・他制度の兼ね合いは要確認。📝
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4103/4402。
Q. 住宅資金は0円でも申告が必要って本当?
A. 本当です。申告書と証明書類の提出が適用要件です。📮
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4508。
Q. 教育・結婚子育て資金の期限と所得制限は?
A. 教育は2026/3/31、結婚子育ては2027/3/31まで。前年合計所得1,000万円超は適用不可。⏰
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4510・No.4511。
Q. 配偶者控除は持ち戻し対象?
A. 特例適用額は加算対象外です(ただし申告必須)。💍
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4452・No.4161。
Q. 毎年110万円ジャストは危険?
A. 直ちにNGではないが、定期贈与(総額の分割)と評価されないよう、契約・時期・金額の工夫を。⚙️
📚出典:国税庁タックスアンサーNo.4102ほか。
まとめ:2025年の勝ちパターン✅
- 住宅(〜2026年)×相続時精算110万円で“非課税+将来の値上がり回避”を同時に狙う。🏠
- 教育・結婚子育て(期限あり)は証憑&残額管理が生命線。今から設計。🗂️
- 配偶者控除は名義整理や相続生活安定に有効。ただし他税コストも試算。💡
- 暦年贈与のみのコツコツは、7年ルールで効果が目減り。制度の合わせ技へ。🧩
※本記事は一般的な情報提供であり、特定の税務判断を保証するものではありません。最終判断は税理士等の専門家へ。
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